倒壊リスクと被害リスクの違い

地震により壊れたマンションの壁

東洋ゴム工業の不正な免震ゴムが使われた建物でも、震度7の地震による倒壊の恐れはないと発表されています。では、なぜ交換する必要があるのか?を倒壊リスクと被害リスクの違いという観点から説明します。

免震ゴム不正問題とは

東洋ゴム工業(株)が平成 15 年から平成 23 年にかけて認定を受けた免震ゴムにおいて、品質データの不正な改ざんが行われた問題です。本来は認定に不適合な製品が、マンションや公共施設などに使われてしまいました。

認定不適合の製品が使用された建物の名前は、公共施設など一部しか発表されていませんが、154棟で交換が必要とされています。

倒壊リスクと被害リスク

認定不適合の製品が使用された建物は震度7の地震でも倒壊の恐れがないと、東洋ゴム工業は発表しています。この発表自体は、1981年に施行された新耐震基準では震度6強~7の地震に対しても倒壊しない設計が義務づけられている点、実際には安全率という余裕をもって設計する点から、真実だと考えられます。

しかし、倒壊のリスクがないことと、被害のリスクがないことは全く違います。 2011年に発生した東日本大震災においても、倒壊したマンションは0棟でしたが、自治体等の補修工事支援の基準となる罹災証明では、仙台市内だけでも100棟以上が全壊となりました。つまり、倒壊はしなかったが、建て替えが必要となるほどに被害を受けてしまった事例は多々あるということです。

ゆえに、東洋ゴム工業の免震ゴム不正問題においても、倒壊リスクはないとしても、免震機能の不足により被害が拡大するリスクはあり、免震ゴムの交換が必要になるのです。

同様に軟弱地盤の上に建つマンションも倒壊のリスクはほぼないのですが、被害のリスク、すなわち補修費用がかさむリスク、資産価値が大幅に下落するリスクは高くなりますので、十分な注意が必要です。